談話

「第6次男女共同参画基本計画」の閣議決定に関する書記長談話

2026年03月16日

日本教職員組合 書記長 山木正博

 

 政府は3月13日、今後5年間のジェンダー平等政策の方向性を示す重要な計画である「第6次男女共同参画基本計画」を閣議決定した。

 この基本計画には、結婚の際に夫婦同姓を義務づける民法の見直しは盛り込まれず、「旧姓使用に法的効力を与える制度創設検討」の追記や「旧姓の単記も可能とする法制化を含めた基盤整備の検討」への変更などが明記された。極めて重要な論点について、男女共同参画会議、専門調査会での審議を経ず、政権の意向が反映されたことは、専門的知見をふまえた民主的合意形成を軽視しており、けっして容認することはできない。

 法律に定められている夫婦同姓制度は、世界で日本だけであり、別姓を希望する場合、法律婚ができない。また、夫婦いずれの姓でも選択し得るとされているものの、現実には94%以上の夫婦が夫の姓を選択しており、姓の選択の機会を得られずして女性の多くが、事実上改姓を強制されるという状況になっている。これは、別姓を望む女性の立場からすると、因習としての家父長的な家族観・結婚観、固定的な性別役割分担意識がもたらす人権侵害であると言える。国際的に見ても、国連女性差別撤廃委員会や自由権規約委員会からは、是正勧告が複数回行われてきている。

 また夫婦同姓が義務づけられていることで、改姓の際には、さまざまな公的・私的な事務手続きが必要となるばかりか、キャリア形成のみならず、個人のアイデンティティに影響があり、将来結婚を望む世代にまでにも及ぶものである。これは、個人の尊厳に関わる重大な問題である。

 

 日教組は、改姓するかどうかを自ら決定する自由を認めることのできる「選択的」夫婦別姓制度を求めとりくんできた。不都合を受け入れながら旧姓・通称使用をしたり、法律婚を諦めたり、離婚を選択せざるをえない人が存在する現実の中で、私たちが求めることは、夫婦同姓を否定するものではなく、あくまでも自らの姓を選択できる制度である。それは、子どもたちが、将来の生き方を選択する自由にもつながり、だれもが安心して暮らせる社会の実現をめざすものである。

 2030年までの完全なジェンダー平等の実現が、世界の潮流であることをふまえ、日教組はこれからも、人権が尊重され、ジェンダー平等社会の実現にむけてとりくみをすすめていく。

 

                                    以上

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