談話
小学校1年生の35人以下学級実現に係る義務標準法成立についての書記長談話
小学校1年生の35人以下学級実現に係る義務標準法成立についての書記長談話
2011年4月15日
日本教職員組合書記長 岡本 泰良
2011年度の政府予算が成立し、4月15日、小学校1年生の35人以下学級を実現するために必要な義務標準法の改正法案が国会において可決・成立した。これは、30年ぶりの学級編制標準の引き下げであり、日本教職員組合が長年切望してきた少人数学級の推進に向け、ようやくスタートを切ることができた。
今回の義務標準法改正条文の附則には、「小学校の2年生から中学校3年生までの学級編制標準を順次改定する検討と法制上を含めた措置を講ずること」が明記され、さらに、措置を講じる際の必要な安定した財源の確保も明記された。また、東日本大震災により被害を受けた学校や、被災した児童生徒の転学先の学校への定数の特別措置も付け加えられ、これまでの日本教職員組合の要請が反映されたものとして率直に評価できる。
現在、東日本大震災で多くの学校が壊滅的な状況にあり、新年度になって教育活動を再開できない学校が岩手、宮城、福島の東北3県で約860校に及んでいる。多くの学校が避難場所となる中、被災県の教職員の仲間は、学校再開にむけ教育関係者とともに各地で懸命の努力を続けている。教職員の中には、児童生徒を守って亡くなった人や家族を失った人もいる。自宅を流され、自らも避難所生活を送りながら、子どもたちを気遣い、不眠不休で世話を続ける教職員もいる。
大災害からの復興の原動力は、子どもたちが笑顔で、夢を持って未来を語れる環境をつくることである。そのための持続可能な教育復興に向け、教職員定数の特別措置や校舎の耐震化等あらゆる教育施策の実施を求めていく。
日本教職員組合は、被災県の子どもの安全確保と教育復興にむけ全国の仲間とともに全力をあげてとりくむ。また、少人数学級の推進は、未来への投資の具体策である。子どもや若者の学びを切れ目なく支援し、人材育成・創出から雇用・就業の拡大につなげることが重要であり、そのため、35人以下学級の着実な実行と小学校から高校までの30人以下学級の実現にむけとりくみを強化していく。