談話

「革新的エネルギー・環境戦略(2030年代原発稼動ゼロ方針)」に対する書記長談話

2012年09月19日

「革新的エネルギー・環境戦略(2030年代原発稼動ゼロ方針)」に対する書記長談話

2012年9月19日

 日本教職員組合 書記長 岡本 泰良

政府のエネルギー・環境会議は、14日、「革新的エネルギー・環境戦略」を決定した。
 その主な内容は、2030年代に原発稼動ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入するもので、①40年運転制限制を厳格に適用する、②原子力規制委員会の安全確認を得たもののみ、再稼動する、③原発の新設・増設は行わないとする3原則を掲げている。

この間、日本教職員組合は、平和フォーラム・原水禁とともに「さようなら原発1000万人アクション」等にとりくみ、多くの市民と連帯し脱原発を求めてきた。また、政府が行ったパブリック・コメント・意見聴取会・討論型世論調査においても圧倒的な原発「0%」の声が示された。

以上のことからも政府の脱原発方針の決定は、大多数の脱原発を求める市民の声にもとづいたものであり当然のことと言える。

しかし、使用済み核燃料の再処理の継続、もんじゅ廃炉の先送り、島根原発3号機や大間原発、東通原発などの建設を容認したことなどは、「原発稼働ゼロ」の方針を大きく揺らがせるものであり早急な見直しが求められる。

東京電力福島第一原発事故(以下福島原発事故)は、1年6ヶ月以上が経ったものの、未だ放射能は自然界に拡散し続け、様々な問題を引き起こしている。今なお、約16万人の県民が家も仕事も故郷も奪われており、30年後には福島県の人口が半減するとの予測も示され、まさに地域が崩壊しようとしている。私たちは、人類の生存そのものを脅かす原子力エネルギーの恐怖に直面している。原発の「安全神話」は完全に崩れさった。原子力中心のエネルギー政策の転換は、未来の世代への当然の責務である。

今後、一部経済界や原子力ムラによる強烈な抵抗が予想されるが、政府はそれに屈してはならない。さらに、2030年を待つことなく早急に原発ゼロを実現させるため断固とした決意を示し、閣議決定を行うとともに、エネルギー基本政策の早急な策定に全力を尽くさなければならない。

日本教職員組合は、改めて「核と人類は共存できない」ことを確認し、再生エネルギーの促進、省エネルギー推進等による政府の脱原発方針が揺るぎないものとして日本社会に定着するよう、より広範な市民と連帯してとりくみを強化していく。

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