談話
23年度 公立学校教職員の人事行政状況調査(精神疾患による病気休職者等数)に対する書記長談話
2024年12月23日
日本教職員組合書記長 山木 正博
文科省は23年度の「公立学校教職員の人事行政状況調査」結果を12月20日に公表した。教育職員の精神疾患による病気休職者は昨年度をさらに上回り7千人を超え過去最多となった。また、事務職員についても過去最多となっている。さらに、教員の病気休職者及び1か月以上の病気休暇取得者のうち精神疾患によるものは、1万3千人を超えるとともに、休職者のうち2割が退職に至っており、教員不足の原因となっている。毎年のように精神疾患による休職者数が最多を更新しているこの異常な状況を変えなければならない。
精神疾患による病気休職の要因として、「児童・生徒に対する指導そのもの」、「職場の対人関係」、「校務分掌や調査対応等、事務的な業務に関すること」が上位に挙げられている。公立学校共済組合のストレスチェックデータ分析結果(24年4月)においても、高ストレス者の要因はほぼ同様になっている。一方で、就労時間が長いほど睡眠の状態への影響があることや周囲のサポート状況が悪いなどにより高ストレス者割合が高いことが分析されている。メンタルヘルス対策などの労働安全衛生体制の確立はもとより、長時間労働を是正し、時間的にも精神的にも余裕のある相談し合い協力協働できる職場、必要な休みが取れるなど働きやすい職場としていくことが必要である。
文科省は今後の対応として、学校の働き方改革の一層の推進や環境整備、メンタルヘルス対策の充実、指導運営体制の充実を挙げている。しかし、内容は中教審答申と変わりはない。病気休職者及び1か月以上の病気休暇取得者のうち精神疾患によるものは、20代が最も高い割合になっていること、休職発令時点での所属校における勤務年数は3年未満が60%を超えることから、若年層及び異動後の丁寧なサポートが欠かせない。教育行政をつかさどる国としての責任の下、実効性ある施策の実施を強く望む。
日教組は、だれもが安心して働き続けられる職場をめざし、労働安全衛生体制の確立とともに、長時間労働是正にむけ、業務削減、教職員定数改善、給特法廃止・抜本的見直しにとりくむ。
以上