談話

「2020年度第2次補正予算」成立に関する書記長談話

日本教職員組合 書記長 瀧本 司
2020年06月12日

本日、新型コロナウイルス感染症への対応をもりこんだ歳出総額31兆9,114億円の2020年度第2次補正予算が成立した。4月30日に成立した第1次補正予算に加えると総額は、57兆6,028億円となる。予備費10兆円のうち、5兆円の使途が明確にされていない。膨大な予備費は、長期化が想定される新型コロナウイルス感染症への対応において、財政民主主義のもと開かれた議論を経て、すべての人々の命と健康、生活を支えるために活用されるべきである。断じて、「無駄の温床」としてはならない。
第2次補正予算における文科省関連予算「学校の段階的再開に伴う児童生徒等の学びの保障」は761億円である。このうち、「学習保障に必要な人的体制の強化」として教員の加配や学習指導員、スクール・サポート・スタッフの追加配置として310億円が計上された。学校再開の途にある今、すべての教育活動において、子ども一人ひとりへのきめ細やかな対応が重要となる。しかし、「新しい生活様式」への対応や学校を感染経路とさせないための消毒等の業務が付加され教職員は疲弊している。学校現場へのさらなる追加の予算措置が必要である。
405億円が計上された「学校再開に伴う感染症対策・学習保障等に係る支援経費」は、学校裁量で感染症への対応策を講じる際に活用される予算である。休業期間中、教職員が私費を投じて家庭訪問を実施したことや課題等の作成・郵送で学校予算が圧迫されている実態がある。感染状況、校種、学校規模等の実態が異なる状況において、学校ごとに必要な物品等の購入が予算化されたことは一定評価する。予算趣旨通りの素早い執行と感染状況を鑑みた教育(学校)予算の拡充を引き続き求めていく。
学校の臨時休業が子どもに留まらず、社会的に大きな影響があることが明確となった。文科省関連予算をはじめ地方創生交付金の有効活用のもと、学校に対する社会的不安を一定緩和しなければならない。第2次補正予算の全体における文科省事業予算の割合は
1%にも満たない。全国的に教員不足が指摘され、教育崩壊すら危惧される中、教職員の使命感や献身性に依拠する制度を早急に改め、教職員の処遇改善や大胆な定数改善等の教育条件整備の予算を拡充し、教育の持続性を担保すべきである。
日教組は、新型コロナウイルス感染症の対応として、子ども、教職員の命と健康を守り、学校を感染経路とさせないなどの学校の安心・安全を確保するとともに、すべての子どもへのゆたかな学びの保障をめざし、さらなる財政支援・条件整備を求め国会対策・文科省要請に引き続きとりくむ。

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