談話
新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言」に関する書記長談話
4月7日、安倍首相は、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法にもとづき「緊急事態宣言」を発令した。対象とされた東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、兵庫、福岡の7都府県では、知事が感染拡大を防止することを目的とした外出の自粛要請や学校等の使用制限を要請・指示することができる。新型コロナウイルス感染症の感染経路が特定できない症例が多数に上り、さらには急速な増加が確認されている中での宣言は遅きに失したとはいえ、感染拡大の抑止が第一優先されるべきである。今後、都道府県知事は私的権利の制限を含む感染拡大の抑制措置をとれるようになるが、あくまでも、濫用や恣意的運用があってはならない。また、新型コロナウイルス感染症に起因する偏見や差別の払拭にむけた施策が不可欠となる。
これまで新型コロナウイルス感染症対策としては、2月27日、安倍首相による突然の小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校における全国一斉の臨時休業要請が行われ、学校現場は混乱を極めた。3月24日には、文科省が「学校再開ガイドライン」を示し学校再開への準備がすすめられているものの、収束の見通せない感染症の前に多くの学校が休業期間を延長せざるを得ない状況に置かれている。また、再開を決断した学校においても依然として感染防止対策に苦悩している。
今後、子ども一人ひとりに対するより一層のきめ細やかな対応が重要になる。また、家庭と学校、自治体が一体となって子どものストレスをケアする体制を整備していくことも必至である。休業期間を延長する学校においては、自宅で過ごす子ども、特に貧困状況にある子ども、特別な配慮を要する子どもなどの居場所づくりや安全確保が優先されなければならない。そのためには、教職員の増員、SC及びSSW、学習支援員等の拡充とともに文科省や教育委員会の諸事業・諸調査の中止・削減を求める。また、マスク配布や消毒薬等の配備は学校設置者の責任のもと行われ、同時に校舎・教室等の消毒作業の条件整備など教職員が教育に集中できる環境が大切となる。
学校が、子どもたちに限らず社会にとっても重要な存在であることが、教職員・教育関係者のこの間の奮闘によって、改めて明らかになった。日教組は、引き続き、感染拡大防止にむけ必要な教育支援、保護者・家庭支援について政府・文科省に求めていく。この難局を乗り越えるべく、全国の教職員・教育関係者とともに、すべての子どもの安心・安全、ゆたかな学びを守るために全力でとりくむ。
以上