談話

「2020年度全国学力・学習状況調査」の中止に対する書記長談話

日本教職員組合書記長 瀧本 司
2020年04月17日

文部科学省は4月17日、新型コロナウイルス感染症による現状および学校教育への影響等を考慮し、2020年度は全国学力・学習状況調査を実施しないことを通知した。

日教組は、2月27日の首相による学校の臨時休業要請以降、文科省に対して、子どもの居場所づくりや安全確保のための施策を求めるとともに、カリキュラムへの影響と子どもの学びを保障する観点から、2020年度学力調査の中止を求めてきた。さらに4月3日、学校における新型コロナウイルス感染症対策について、文科省に緊急要請を行い、年間を通した各学校での柔軟なカリキュラム編成による子どもの学びの保障が喫緊の課題であることから、全国学力調査、全国体力・運動能力調査などの中止を再度要請した。

通知では、全国学力調査で使用する予定であった問題冊子等について、各自治体や学校の判断での有効活用のため、後日配布する予定としている。また、全国各地の自治体では、独自の学力調査も計画されている。
しかし、政府が緊急事態宣言を全国に拡大した今、長期間にわたる臨時休業等の影響でストレスを抱えている子どもたち、貧困・暴力・格差など子どもの生活をとりまく課題も深刻さを増しているなか、最優先するものは学力調査ではない。

全国学力調査については、2020年度は実施しないとしたものの、悉皆での実施と結果公表が、自治体間の序列化・過度の競争に拍車をかけている。より上位の結果を求める自治体では、子ども・教職員を事前対策に追い立てている実態がある。

日教組は、悉皆調査の廃止を含む、抜本的見直しを求めて、引き続きとりくんでいく。また、子どものいのち・生活を守り、ゆたかな学びを保障する施策を引き続き求めていく。

以上

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