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談話

大学入学共通テストにおける国語と数学への記述式問題の導入見送りに対する書記長談話

日本教職員組合 書記長 清水 秀行
2019年12月17日

本日、萩生田光一文科大臣は、2021年1月実施の大学入学共通テストに導入予定の国語と数学の記述式問題について、「受験生の不安を払拭し、安心して受験できる体制を早急に整えることは現時点で困難だと判断した」として、導入の見送りを公表した。

大学入学共通テストへの国語・数学の記述式問題導入については、約50万人の受験生の解答を短期間で正確に採点できるのか、そのための採点者や採点の質が確保できるのか、受験生が正確に自己採点できるのかなど、多くの課題があった。学校現場では、高校生は自己採点結果に全く確信を持てないまま出願する大学を決めざるを得なくなり、教員も自信をもって進路指導ができなくなるなど、様々な不安や困惑の声があがっていた。

日教組は、この間、英語の民間試験と同様に、国語・数学の記述式問題についても、文科省に現行の大学入試センター試験の継続も視野に入れて、公平性・公正性が担保される実施方法を検討することを要請するとともに、各単組は教育委員会に対して文科省への意見具申にとりくんだ。
一方、立憲民主党をはじめとした野党は、11月14日に「多肢選択式」の試験とすることを求める「独立行政法人大学入試センター法の一部を改正する法律案」を衆議院に提出した。法案の審議は行われなかったものの、衆参両委員会において、記述式問題の諸課題についての議論が行われた。

文科省および大学入試センターは、受験生の立場に立った制度を構築し、丁寧な説明につとめるべきである。

英語の民間試験活用や国語・数学の記述式問題導入にかかわる国の動きは、大きな不安や混乱をもたらした。国・文科省は、子ども・保護者の声や願いを真摯に受けとめた教育行政につとめなければならない。日教組は引き続き、子どもや地域・学校現場の実態をふまえ、ゆたかな学びを保障する教育の実現にむけとりくんでいく。

以上

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