談話

「辺野古への土砂投入」に抗議する書記長談話

日本教職員組合 書記長 清水 秀行
2018年12月19日

日本政府は、12月14日、名護市辺野古の新基地建設を巡り、辺野古沿岸部で、埋め立て予定海域への土砂投入を強行した。米軍普天間基地を巡っては、日米両政府は20年以上前に辺野古に代替施設を建設することに合意したが、沖縄県は一貫して反対の姿勢を示してきた。辺野古新基地建設に反対する民意は、2度の沖縄県知事選挙の結果によっても明確に示されている。一方、日本政府は「辺野古が唯一の解決策」の立場を崩さず、玉城知事就任後に実施した沖縄県との集中協議も1ヵ月足らずで打ち切った。「沖縄に寄り添う」と言いつつ、民意を無視した安倍政権の行動に強く抗議する。

埋め立て予定地については、多くの研究者が大浦湾の生物多様性に壊滅的な打撃をもたらすと警鐘を鳴らしている。しかし国は、必要な環境保全対策を十分にとっていない。さらに、護岸設置場所の地盤も軟弱であることが明らかとなっており、沖縄県の試算では事業費が国の計画の10倍になる可能性も指摘されている。政府はこうした疑問に対し納得のいく説明を行っていない。

南北首脳会談、米朝首脳会談が相次いで開催されるなど、朝鮮半島の非核化と緊張緩和にむけた努力が続けられている。東アジア情勢の大きな変化から、新基地建設の必要性自体も問われており、民意を顧みず工事がすすめられている辺野古新基地建設は、沖縄の基地負担軽減に逆行するばかりでなく、アジアの緊張緩和の流れにも逆行しているといわざるを得ず、全く容認できるものではない。

 法を曲げ、民意を蔑ろにし、辺野古への土砂投入を強行する政府のやり方は、地方自治を破壊する行為であり、法治国家において決してあってはならない行為である。政府は直ちに違法な工事を中止し、投入された土砂についても原状回復をすべきである。

日教組は、「教え子を再び戦場に送るな!」のスローガンのもと、安倍政権がすすめる辺野古の新基地建設に断固反対するとともに、世界で最も危険と言われている普天間基地の早期返還、在日米軍基地の縮小・撤去と日米地位協定の抜本的改定にむけたとりくみを、平和フォーラムとともにすすめていく。

以上

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