談話

文科省による「全国学力・学習状況調査」の結果公表に対する書記長談話

2007年10月24日

文科省による「全国学力・学習状況調査」の結果公表に対する書記長談話

2007年10月24日

日本教職員組合 書記長 中村 譲

本日、文科省は、4月に実施した「全国学力・学習状況調査」に関する調査結果および分析データを公表した。

小・中学校とも「知識」に関するA問題では、正答率が7割?8割と高い数値示している。一方、「活用」に関
するB問題は、A問題に比べ正答率が10?
20%低く課題がある。また、小・中学校とも地域の規模等による大きな差は見られず、都道府県においてもばらつきが小さいとの見解を示した。

この調査結果は、学校現場において子どもたちに基礎的・基本的な学力の定着が図られ、全国的に教育水準が維
持されていることを統計的に示したものといえる。これは、地域・教育格差等が課題となっている中で、すべての子どもたちの教育の機会均等、水準の維持にむ
けた学校現場の教職員の日々のとりくみによるところも大きい。

今回の「全国学力・学習実態調査」は、学校現場に何をもたらしたのだろうか。

日本教職員組合の調査実施後の実態調査では、調査対策としての事前練習や教育課程の変更などが報告されている。また、半日および一日かけての調査は、子どもに負担がかかっているとの声が学校現場から多くあがっている。

「全国状況の把握、教育施策の改善」の調査目的を達成させる方法は、これまでの抽出調査でも十分に把握できるものであり、悉皆調査である必要はない。

また、調査の目的として「児童生徒一人ひとりの学習改善や学習意欲の向上」があげられているが、子ども一人
ひとりの学習状況や課題は、調査結果を待つまでもなく、学校現場では、日々の教育活動の評価・検証を行い、明らかにしてきた。同時に、課題解決へむけて、
学校現場の実態を踏まえた教育条件整備等を求めてきた。

今回の調査結果は、子どもの学習意欲や支援につながるような教育予算や教職員定数増・30人以下学級などの教育条件整備に活用されるべきである。

地域や学校別に平均正答率・正答数などの点数の序列化、順位に焦点があたることになれば、データ分析の結果
も意味をなさなくなる。現に本日の調査結果公表をもとにした都道府県別の正答率一覧が報道される事態も生じている。点数をあげるための手立てにつながるよ
うなことは断じてあってはならない。

私たちは、今回の「全国学力・学習実態調査」の課題や問題点を明らかにし、競争や序列ではなく、教育条件整備につながる実態調査のあり方を求めるとともに、さらに、一人ひとりの子どもの学力を保障するため、日々の教育実践をすすめていく。

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