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談話

新テロ特措法「改正」に抗議するとともに、シビリアンコントロールの徹底を求める書記長談話

2008年12月16日

新テロ特措法「改正」に抗議するとともに、シビリアンコントロールの徹底を求める書記長談話

2008年12月16日

日本教職員組合 書記長 岡本泰良

本日、衆議院本会議において、参議院で否決された「新テロ特措法改正案」が再可決され、成立した。これによって、インド洋における燃料補給活動は、1年間
延長されることとなった。01年のテロ特措法成立以来、7年もの間補給活動を続けてきたが、その活動内容は不明であり、補給した燃料の目的外使用が懸念さ
れている。延長を決める前に、この間の活動に対する情報公開と総括をすべきである。

燃料高騰に苦しんでいる日本の漁船には提供しない燃料を、米同盟軍の艦船には234億円分を提供している日
本政府の姿勢は到底支持されるものではない。燃料代を含めて704億円をつぎ込んだこの補給活動によって、和平をもたらすことができなかったばかりか、ア
フガニスタン情勢は泥沼化しており、米同盟軍・民間人とも死者が激増している。

また、アフガニスタンで人道支援を行っていたペシャワール会の伊藤和也さんの死を決して忘れてはならない。
この事件は、米国に追従し補給活動を続ける日本への敵対感情の高まりが原因で起こったことである。補給活動が、本当に必要とされているアフガニスタンでの
人道支援に支障を来していること、「戦争支援」であることを認識すべきである。

さらに、田母神前空幕長の侵略戦争・植民地支配を正当化し歴史を歪曲する言動により、自衛隊に対するシビリ
アンコントロールが全く機能していない危機的な状況であることが明らかとなった。自衛隊内の教育や歴史認識のあり方にも懸念を抱かざるを得ない。軍部が暴
走した過去の過ちを繰り返さないためにも、村山談話などこれまでの政府見解の堅持、教科書検定基準の「近隣諸国条項」の遵守を求めるとともに、自衛隊活動
の検証・把握を含め、民主政治を守るための原則である政府のシビリアンコントロールの徹底を強く求める。

自衛隊の海外派遣の常態化は、集団的自衛権行使の容認、「海外派遣恒久法」制定へとつながるものであり、断じて許すことはできない。

米国追従の「テロ戦争支援」ではなく、停戦にむけた協議の実現と食料・医療などの民生支援に全力をあげるべきである。新テロ特措法「改正」に断固抗議するとともに、海上自衛隊のインド洋からの即時撤退を強く求める。

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