談話

大阪市教組教研集会の会場使用不許可事件に対する書記長談話

2012年08月20日

大阪市教組教研集会の会場使用不許可事件に対する書記長談話

2012年8月20日

 日本教職員組合 書記長 岡本 泰良

大阪市教組教研集会の会場使用が、7月30日に公布された「大阪市労使関係に関する条例」を理由に「使用不許可処分」とされた。

これに対して大阪市教組は、「使用不許可処分及びその根拠とされている労使関係に関する条例第12条は違憲または違法である」として、8月14日、処分取消し等を求めて大阪地方裁判所に提訴した。

大阪市は「大阪市労使関係に関する条例」で「労働組合等の組合活動に関する便宜の供与は、行わないものとする」と定め、条例が審議された市会の中で当局は、「教研集会の開催を理由とした、使用許可は行わない」「分会会議や支部会議についても、使用許可は行わない」と答弁している。

そもそも労働組合法第7条において、労働組合に対する最小限の広さの事務所の供与は許されるものとされている。また、地方自治法第238条において、「行政財産は、その用途又は目的を妨げない限度においてその使用を許可することができる」と規定されており、学校教育の目的の妨げとならないことを前提に、これまで、PTA、校長会・教頭会等の職能団体の会合などとともに、勤務時間外における組合の会合も全国的に学校内で行われている。

さらに教育研究集会は、教育実践の具体的な内容を報告し討議するものであり、教職員の資質向上に多大に貢献している。これは、教育公務員特例法により要請されている自主的研修の一環として、最高裁判所においても、その有用性が認められている。

こうした司法判断をも無視した大阪市の使用不許可処分は、全く異常であり、教職員の研修を妨げ、その結果不利益を被るのは子どもたちである。

大阪市労使関係に関する条例は、大阪市教組をはじめ大阪市の労働組合を敵視し、専ら組合活動に制限を加えることのみを目的としたものであり、かかる条例は労働組合の存在目的や社会的有用性を否定するものであって、憲法で保障されている労働組合の団結権(憲法28条)と法の下の平等(憲法14条)に明白な違反である。

日本教職員組合は、労働者の権利と民主主義を守るたたかいとして、当該単組のみならず幅広い労働者とも連帯して、会場使用不許可処分取消しなどを求めていく。

pagetop