談話

大阪市教組教研会場使用不許可訴訟の大阪地裁判決に対する書記長談話

2014年11月26日

大阪市教組教研会場使用不許可訴訟の大阪地裁判決に対する書記長談話

 2014年11月26日

 日本教職員組合 書記長 岡本 泰良

本日、大阪地方裁判所は、日本教職員組合事件「大阪市教組教研会場使用不許可訴訟」について、大阪市教組勝訴の判決を言い渡した。教研集会の意義及び団結権(憲法28条)の保障を正面から認めた判決として高く評価する。

裁判所が、大阪市労使関係に関する条例第12条は、「少なくとも同条例が適用されなければ違法とされる被告の処分(便宜供与の不許可処分)を適法化するために適用される限りにおいて、職員団体の団結権等を違法に侵害するものとして憲法28条に違反して無効」と断じた上で、本件不許可処分が違法であると明確に認定したことは当然である。また、本件条例12条と同様に、改正後の審査基準も適用違憲であり無効とした上で、本件不許可処分をした両校長の行為の違法性及び過失を認めたことも正当である。

大阪市教組は、従前は何らの問題もなく学校施設を教研会場として使用し続けてきたが、本件条例の制定後は学校施設を教研会場として使用できなくなっている。教研会場として学校施設が一切使用できないということは異常な事態といえる。裁判所によって、違法行為を適法とするために本件条例を適用することは「違憲」であることが明確に判断された以上、大阪市は、裁判所のこの判断を重く受け止め、自らすすんで速やかに条例を廃止すべきである。あわせて、大阪府でも本件条例と同じような労使関係条例が定められており、大阪府も本判決を踏まえて、すみやかに同条例を廃止すべきである。

また、今後、学校使用許可申請を受ける校長も、憲法が保障する団結権等を侵害するおそれがないよう判断すべきである。

日本教職員組合は、子どもの貧困や教育格差などの教育課題が山積する中、すべての子どもにゆたかな学びと育ちを保障することを目的として、自主的で自律的な研修を奨励する教育公務員特例法にもとづき、教育研究全国集会の歴史を63年間築いてきた。教育研究全国集会は、大阪市をはじめ、全国各地で開催される「地域教研」での実践を交流する場であり、「地域教研」なしに、教育研究全国集会の充実はあり得ない。日本教職員組合は、これからも、教育研究全国集会を中心に、教職員による教育研究活動をより一層充実させていく。そして、子どもたち一人ひとりの最善の利益をはかるため、引き続き、教育現場において、保護者や地域の方々、すべての教育関係者等と手を携えて、困難な教育課題に真摯にとりくんでいく。

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