談話

「核兵器禁止条約」制定交渉開始の決議案採択に対する書記長談話

2016年10月31日

「核兵器禁止条約」制定交渉開始の決議案採択に対する書記長談話

 2016年10月31日

 日本教職員組合書記長 清水 秀行

10月28日、国連総会の軍縮問題を扱う第1委員会において「核兵器禁止条約」の制定にむけた交渉会議を開始する決議案が、賛成123カ国、反対38カ国、棄権16カ国の賛成多数により採択された。しかし、日本は「安全保障での核の役割」を主張し、米国など核兵器保有国と同調して採択に反対した。日本教職員組合は、日本政府がこの決議案に反対したことに強く抗議する。

日本はこれまで唯一の戦争被爆国として、核兵器の廃絶を訴えてきたが、米国の核の傘に守られる安全保障上の政策から「核軍縮は核兵器の保有国と非保有国が協力して段階的に進めるべきだ」として核兵器を直ちに禁止することには慎重な立場をとり、一連の決議案の採択を棄権してきた。このため今回の採択で、日本が棄権ではなく、米国などの核兵器保有国とともにあえて反対に回ったことは、各国の間で驚きや批判をもって受け止められており、被爆国としての存在意義を大きく損ねることとなった。

日本は、核兵器保有国に対して「核兵器禁止条約」の早期締結にむけた交渉に参加するよう呼びかける立場に立つべきである。日本は、誤った侵略戦争と植民地支配の結果として核兵器の惨禍を経験し、多くの被爆者を生んだ事実から、平和を考えていかなくてはならない。

核に依存した安全保障からの脱却をめざす立場を確立し「核兵器禁止条約」の早期締結をめざす交渉に参加し、核廃絶へすすむ主導権をとり積極的な役割を果たすことを強く求める。

                               以 上 

                                                                

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