談話

ロシアによるウクライナ侵攻に抗議する書記長談話

日本教職員組合書記長 瀧本 司
2022年02月25日

 2月24日、ロシアはウクライナに軍事侵攻を開始した。ロシアは親ロシア派武装勢力が実効支配しているウクライナ東部地域の住民を守るためとしているが、すでに戦禍はウクライナ全土に広がり、軍事施設への攻撃にとどまらず、民間人の犠牲者も出ていると報道されている。ウクライナ東部地域の独立承認や軍事侵攻等の行為はウクライナ領土と主権を侵害し、国際秩序を乱し、平和的解決を義務付ける国際法に著しく反するものである。

 軍事的行為はいかなる理由があろうとも、許すことはできない。今回のロシア、プーチン政権のウクライナ侵攻に対して強く抗議し、即時撤退とともに戦禍がこれ以上拡大しないよう、ロシア政府に平和的手段による問題解決を望む。

 戦争は最大の人権侵害である。ロシア国防相は「民間人は脅かさない」としていたものの、多くのウクライナの人々は国外へ脱出を始めており、基本的人権や生存する権利等が脅かされている。国際人権・人道法、特にジュネーブ条約は民間人や民間施設を攻撃することを禁じている。在留邦人をはじめウクライナに暮らすすべての人、特に子どもたちが1日も早く笑顔で生活できる日常を取り戻すことを切に願う。

 このような中、一部の政治家は「自国は自国で守るというスタンスがなければ、日本もウクライナと同じようなことになる」とし、憲法9条の改憲議論に拍車をかけようとしている。しかし、「武力で平和はつくれない」ことはイラクやアフガニスタンの現状をみれば明らかであり、日本政府は、人道的支援を行うとともに事態打開にむけて対話による外交的解決がはかられるように働きかけていくべきである。さらに核兵器の使用をほのめかしているロシアに対して、唯一の戦争被爆国として、強く自制を求めていくべきである。

 日本教職員組合は「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンのもと、ロシアのウクライナ侵攻に抗議し、平和を望む多くの広範な市民と連帯し、今後もあらゆる戦争や軍事的行為等を許さないとりくみをすすめていく。

以上

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