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第10回教育インターナショナル世界総会

2024/08/03

写真 EI会長スーザン・ホップグッド

写真 EI副会長梶原貴

写真 新EI会長マグウェナ・マルレケ

 日本教職員組合が加盟する教育インターナショナル(EI)は、「組合の拡大、教職の向上、民主主義の擁護」をテーマに第10回世界総会をアルゼンチン・ブエノスアイレスで開催(7/27-8/2)しました。

 

 今回の世界総会で退任となるスーザン・ホップグッドEI会長は、開会あいさつにおいて、世界的に深刻な教員不足、教育テクノロジーへの高まる期待と危険性、気候危機など前例のない課題に直面する中で、「私たちは組合を通じて、ゆたかな公教育とは何かを考え、そのゆたかな公教育を世界中のすべての子どもたちに保障するために必要な社会の条件とは何かを定義している」とし、教職員と教職員組合が果たす重要な役割を強調しました。また、「教職員と教職員組合がなければ、真実、信頼、民主主義のいずれも得られない。教育は、単に内容を伝えるだけではなく、社会を築き、民主主義を築く基盤である。私たちは岐路に立たされているが、選択の余地はない。私たちの向かう道は決まっている。歩みを止めるわけにはいかない」と教職員と教職員組合の国際連帯を呼びかけました。

 

 第10回世界総会には、世界150か国からおよそ1200人の組合代表が参加しました。「組合の拡大」、「教職の向上」、「民主主義の擁護」、「公平性の確保」、「平和の推進」の5つの分野で、40本以上の決議が提案され、直面する重要な課題について議論しました。本総会で新たに副会長に選出された日本教職員組合の梶原貴中央執行委員長は、日本教職員組合が教え子を戦場に送ってしまった先輩たちの反省と「平和」への思いから結成された組合であることを紹介しながら、子どもたちとともに「平和」について考え、寛容と思いやりを育む教育の重要性を強調した「平和教育」に関する決議を提案し、多くの賛同を得て採択されました。

 

 新たにEI会長に選出された南アフリカのムグウェナ・マルレケSADTU書記長は、アパルトヘイトが設立した教員協会を解体し、非人種差別的かつ非性差別的な労働組合への道を切り開くための運動をけん引してきました。児童労働者としての自らの体験が社会正義を求める運動に参加するきっかけとなったことを紹介し、「私たちは、人権、社会正義、民主主義、平和を推進するために、教育インターナショナルに結集し、十分に資金が確保されたインクルーシブで公平でゆたかな公教育の実現に向けて、みなさんと協力することを楽しみにしている」とまとめ、決意を示しました。

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