ニュース

第34回日教組人権教育実践交流集会

2025/02/26

写真 ふたつの災害の体験を通して災害時の人権について熱く語る浦秀一さん

写真 イタイイタイ病被害者の小松みよさんに成り代わり被害状況や心情を語る金澤敏子さん

 人権教育実践交流集会を2月22〜23日に富山県富山市で開催しました。雪がしんしんと降る中、富山県をはじめ北陸ブロックを中心に約170人が参加しました。22日は元石川県内の中学校教員で現在石川県珠洲市議会議員の浦秀一さんが「ふたつの災害と人権」というテーマで講演を行いました。1月1日の能登半島地震の際、自身も被災し避難所生活をしながら、身近な人の死を受け入れる感情をも喪失するという精神状態の中、被災者のために活動してきた経験を語りました。そして、追い討ちをかけた9月の豪雨災害。市民と行政の橋渡しとして奔走し、一人ひとりのニーズに対応するとりくみを続けてこられました。

 避難所生活をしていたある日、1人のおばあさんから、車で自宅に連れて行ってほしいとお願いされたそうです。自宅に着くと、「自分のような高齢者がいると避難所で迷惑をかけてしまうから避難所には戻らない」とタクシー代だと言って千円札を置き、車を降りてしまったそうです。こんな思いをさせてしまって申し訳ないという出来事を涙をこらえながら語りました。

 分科会は、「憲法・子どもの権利条約と人権教育」、「部落問題学習のとりくみ」、「ジェンダーと人権教育」、「インクルーシブ教育」の4つで実践リポートをもとに討論が行われました。「ジェンダー平等と人権教育」の分科会では、多様性を「認める」というと一定の「標準」があるように思える、私たちは、標準からものごとをとらえるのではなく、そこに存在している人を、「尊重する」ことが大事だ等の意見が交わされました。

 23日は、「富山大空襲」について学ぶコースと、「イタイイタイ病」の2つの資料館で学ぶコースに分かれてのフィールドワークでした。実際に現地の史跡や資料館を訪れ、現地を訪れてみないと知り得ないことや体感することの重要性を実感することができました。

pagetop