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平和・平等を求め思いを声にし行動することの重要性を確認
2007/08/09
平和・平等を求め思いを声にし行動することの重要性を確認
2007年8月9日
2007年
母と女性教職員の会全国集会が「子どもたちに平和な未来を−ひろげようつながろうともに生きる地域−」をテーマに8月1日・2日に開催されました。1日の
日比谷公会堂での全体会には1,200人を越える参加者があり、開会行事の構成詩を運営委員の母親が朗読し、集会テーマを全体で確認しあいました。
「人生100年を生きる土台としての教育」と題しての樋口恵子東京家政大学名誉教授の講演では、「100年
を生きるために『好奇心』『他者への愛情』『目標』『勇気』を持とう」と語る前向きな生き方や発想に、会場は笑いに包まれました。また、教育基本法や教育
関連三法が改悪されたことで学校のあり方が変わり、子どもや教職員が苦しめられる体制がつくられようとしているが、教職員や保護者が子どもや地域と関わっ
ていくことや、おかしいことをおかしいと勇気を出して声にすることの必要性が述べられました。
アトラクションの歌とトークは、女性詩を歌い続けてきた歌手の吉岡しげ美さんが「平和へのおもい」をテーマ
に、女性解放の歴史や反戦・平和を歌声にのせて熱演しました。活動30周年を迎えた吉岡さんは、金子みすゞの「私と小鳥と鈴と」を参加者とジョイントする
など、平和への思いを参加者に伝えました。
閉会行事では、参加者全員で「子どもの未来は子どものもの」を歌い、平和や平等を求め一人ひとりが思いを声
にし行動することの重要性を確認し、アピールを採択して全体会を終えました。また、集会では、安倍総理が3年後の憲法「改正」を明言したことを受け、「日
本国憲法の改悪に反対し、恒久平和を求める決議」が採択されました。
2日目は15分科会に分かれ、女性や子どもをとりまく情勢、それぞれの地域での実践や手をつなぐ運動の紹介など、分科会ごとにさまざまな意見や討論が交わされました。
日本国憲法の改悪に反対し、恒久平和を求める決議(案)
母と女性教職員の手をむすぶ運動のきっかけとなった1954年のアピールは、「憲法を変えないようにしま
しょう」と訴えました。それは、日本国憲法の3本柱である「主権在民」「基本的人権の尊重」「平和主義」の大切さを実感し、二度とあの恐ろしい「戦争ので
きる国」にもどらせてはならないと強く願ったからです。
憲法14条「法の下の平等」、第24条「家庭生活における個人の尊厳と両性の平等」は、女性に人としての尊
厳を取り戻させました。さらに、国際平和を希求し、武力の行使を永久に放棄した第9条によって、日本は他国の人の命を武力によって奪うことはありませんで
した。この憲法が今、「時代に合わなくなった」「アメリカに押し付けられた憲法である」などを理由に、変えられようとしています。
日本国憲法は、国民の権利を護るため国のあり方を規定する最高法規です。これによって、一人ひとりの人権は
保障され、すべての人が平等に幸福を追求する権利を有すると謳われました。しかし、21
世紀をむかえ、市場原理・競争主義による規制緩和・構造改革は、さまざまな分野における格差の拡大、二極化を招いています。その結果、第25条「生存権、
国の社会的使命」、第26条「教育を受ける権利」さえ侵害される状況にあります。
昨年12月に慎重審議を求める多くの声を無視する形で、「教育の憲法」と呼ばれた‘47教育基本法が改悪さ
れました。さらに、今年5月には、憲法「改正」を前提とした「改憲手続き法案(国民投票法案)」が、数の力で強行採決されました。「国民投票法」の施行日
は公布から3年を経過した日と定められており、安倍政権は、集団的自衛権の検討に踏み込み、憲法審査会を設置して「改憲」にむけた準備をすすめようとして
います。私たちは、多くの人と連帯し、憲法改悪を許さない世論づくりをすすめなければなりません。
「戦争をしない国」として歩んできた60年。平和には武力も戦争も必要ないことを世界に証明した60年でもありました。
世論調査では、憲法9条を改定することに反対する国民が増えてきており、9条が平和に貢献してきたと評価する国民が約8割にのぼっています。
日本国憲法施行から60年。今こそ私たちは「わが子、教え子を再び戦場に送るな」のスローガンを高く掲げ、日本が再び戦争への道にすすむことのないよう、憲法改悪を許さない国民的運動をすすめていきましょう。
2007年8月1日
母と女性教職員の会全国集会
2007年「母と女性教職員の会」全国集会アピール(案)
子どもたちは
夢と限りない可能性をもっている
今 子どもたちをとりまいている社会
格差は どんどん広がっている
経済格差 生活格差 教育格差
教育基本法の改悪
教育関連三法の改悪
子どものための教育から 国家のための教育へ
教育の名のもとに
競争と管理 価値の一元化が 強められようとしている
でも 私たちはあきらめない
今まで歩んだ54年の確かな道
母と女性教職員が手を携えながら
子どものしあわせを願い
平和を希求しつづけてきた
女も 男も 子どもも
一人ひとりの尊厳が重んじられ
能力が発揮できる社会づくりを
自信をもってすすめてきた
子どもたちに 平和な未来を手渡すために
わが子 教え子を再び戦場に送らないために
今こそ わたしたちは
子どもとじっくり向き合い
子どもの声に耳をすませよう
そこから 私たちの歩みは より大きな力となっていく
つくろう ともに生きる地域を
ひろげよう つながろう
「日本国憲法」「子どもの権利条約」を具現化し
子どもたちの夢が実現できる社会をめざして
2007年8月1日
母と女性教職員の会全国集会