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ジェンダーの視点を共有化することの重要性を確認
2007/08/09
ジェンダーの視点を共有化することの重要性を確認
2007年8月9日
8月3日・4日、日本教育会館において「『今を生きる』視点からジェンダーを考える」をテーマに開催され2
日間でのべ1,200人が参加しました。全体会では「ジェンダー・家族・労働・性−私たちの生きにくさを探る」と題して、戒能民江お茶の水女子大学教授が
講演しました。DVの背景や労働の場におけるハラスメントの常態化や女性の貧困化の深刻さ、戦後レジームの総決算として憲法9条・24条がねらわれている
状況が語られました。
午後からは、「第20回日本エイズ学会が訴えたもの」と題して、ぷれいす東京代表の池上千寿子さんが報告を
行いました。HIV感染者やエイズ患者の増加に反して予算は削減、ケアや偏見の解消が遅れている日本の実態、ジェンダーの視点との関わりが語られていない
ことへの問題などが語られました。
シンポジウムは、「ジェンダーの視点から働くことを考える今」をテーマに、千葉大学教授の佐藤和夫さん
(コーディネーター兼)、NPO団体事務局長の池田恵美子さん、日本教職員組合女性部副部長の大貫佳久美さん、長崎県教組前青年部長の三浦裕樹さんをパネリストに
行われました。日本教職員組合女性部の定年前退職調査や教職員の勤務実態調査から見えてくるもの、男性の育休や介護休業をとりまく状況、「休むことの権利」が侵害
されている状況などを共有し、ディーセント・ワーク(人間尊重の労働)にむけた方向性について意見が交わされました。
2日目は「ジェンダーの観点からの教育の内容づくり」、「『正規』『非正規』の均等待遇とジェンダー」、
「ジェンダー・フリーから今、生き方を考える」、「ケアとしての性の教育実践」をテーマに分科会討議がされました。分科会では、さまざまな教育実践や意見
の交流が行われるとともに、すべての教職員がジェンダーの視点を共有化することの重要性が確認されました。年々男性の参加者が増えており、充実した集会と
なりました。
全体会の冒頭、両性研を長年支えていただいた中島道子弁護士の急逝を悼んで、参加者全員で黙とうを行いました。