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11万6千人が結集し、教科書検定意見撤回を要求

2007/10/01

11万6千人が結集し、教科書検定意見撤回を要求

2007年10月1日

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集会風景

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挨拶する高校生代表

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団結ガンバロウ

文部科学省の高校歴史教科書検定で沖縄戦における「集団自決」(強制集団死)の日本軍強制の記述が削除・修正された問題で、「教科書検定意見撤回を求める県民大会」(同実行委員会主催)が9月29日午後3時から沖縄県宜野湾市の海浜公園で開催されました。

車椅子に乗ったお年より、子ども連れの親子、一般市民や団体、労働組合、経済界、次代をになう中学生、高校生など県内外から11万人が集まり、会場を埋め尽くしました。宮古(2500人)、八重山(3500人)でもこれと連動した大会が同時刻に開催されました。

集会は諸見里宏美県PTA連合会長の「県民へのアピール」で開会し、壇上には、知事、県議会議長をはじめ宮古、八重山の五市町村長を除く全36市町村長、沖縄選出国会議員、県議、市町村議会議長らが並びました。

大会では、日本軍による命令・強制・誘導などの記述を削除・修正する教科書検定意見の撤回と、記述回復を求める大会決議が採択されました。

仲里利信実行委員長(県議会議長)は「軍命による『集団自決』だったのか、あるいは文科省の言う『自ら進んで死を選択した』と殉国美談を認めるかが問われている大会だ。今こそ全県民が一丸となって立ち上がり、教科書から沖縄戦における軍隊による強制の削除に断固ノート叫ぼう」と呼びかけました。

仲井真弘多知事は「集団自決の日本軍の関与については、当時の教育を含む時代状況の総合的な背景や手りゅう弾が配られるなどの証言から覆い隠すことのできない事実である」と述べ、文科省の検定意見の速やかな撤回を要求しました。

集会では、県教育委員長、県婦連会長、県青年団協議会長、県子ども会育成連絡協議会長をはじめ各界代表が次々と挨拶をし、記述復活を強く求めました。

高校生代表は、「私は将来高校の日本史の教師になりたい。このまま検定意見が通れば、わたしは事実でないことを教えなければならない。教科書のたった一文、一言かもしれないが、その中には失われた命と、二度と戦争を繰り返してはいけないという県民の思いがある。

うそを真実と言わないでほしい。あの醜い戦争を美化しないでほしい。例え醜くても真実を知りたい、学びたい、そして伝えたい」と訴え盛大な拍手を受けました。

渡嘉敷島「集団自決」の生き残りの吉川嘉勝さんは、「軍隊の弾薬、手りゅう弾が民間人に渡らなければ「集団自決」は決行されない。手りゅう弾は日本軍から渡された。集団自決の背景は皇民化教育、軍国主義教育、戦陣訓の住民への宣撫、島民に対する差別、閉ざされた環境。日本軍の命令、誘導、示唆などの関与がなければ、あのような惨事は起こらないと結論付ける事実は山積している。事実の歪曲を許してはならない」と静かに訴えました。

実行委員会は10月15日に上京し、福田首相、渡海文科相らに要請を行うことにしている。

沖縄県教組、高教組の仲間は、実行委員会のメンバーとして「平和の火」のリレーを受け持つなど集会成功のために力を合わせました。

集会の模様を地元テレビ局が実況中継し、地元紙が号外を出すなど全島挙げてのとりくみでした。

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