談話

中教審教育課程部会「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」に対する書記長談話

2026年10月08日

日本教職員組合書記長 丹野 久

 

 10月5日、中教審教育課程部会は、「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」(以下、「審議まとめ」)を公表し、6日からパブリック・コメントの募集を始めた。「審議まとめ」では、①「主体的・対話的で深い学び」の実装、②多様性の包摂、③実現可能性の確保の3つの方向性を示し、学習指導要領の理念を実現するための必要な方策として「学習指導要領の更なる構造化」や「柔軟な教育課程を可能とする仕組み」「教科書のあり方」が明記されている。

 

 近年のAIの飛躍的な発展により、知識の取り出しや大量の情報整理・分析などがAIで代替され、そのことが社会に浸透しつつある。自分で課題設定し、現実の複雑な課題にとりくむ力の重要性は一層高まり、「深い学び」により資質・能力の「深まり」を促進することが喫緊の課題であるとし、教職員が「深い学び」のイメージを掴みやすく、授業づくりをしやすくするための学習指導要領へと改訂する見込みである。

 高校の情報科をはじめ、新設された小学校の総合的な探究の時間での「情報の領域」や中学校の「情報・技術科」において、高度にデジタル化した社会におけるメディアリテラシーや情報モラルの育成をはかるとした。この間の膨大に増え続ける指導内容により、子どもも教職員も疲弊している。新しいことを取り入れる前に削除するものを明確にすべきで、各教科等の内容の精選・削減は絶対条件である。

 

 「誰一人取り残すことなく、全ての子供たちを対象とすべきことは言うまでもない」とし、多様性の包摂のために教育課程の仕組みや指導のあり方を見直し、柔軟な教育課程の編成・実施を可能とする調整授業時数制度が創設された。日教組は、カリキュラム・オーバーロードを解消するためには年間総授業時数の削減や、各教科等の学習内容の精選・削減が必要であると提言している。

 「主体的・対話的で深い学び」は、すべての子どもが差別されることなく、安心して学びの場に参加し、意見を尊重されることによって実現される。また、「実現可能性の確保」も、行政上・実務上の観点から実施できるかということにとどまらず、すべての子どもの教育を受ける権利を保障できるかという観点から判断されなければならない。子どもの権利条約の四つの原則を、教育課程に関するすべての判断を方向付ける共通の基盤として位置付ける必要がある。

 

 今後、「審議のまとめ」が学習指導要領改訂のもととされるが、子どもの実態と学校現場の状況が反映されたものでなければならない。また、教職員が子どもとむき合う時間や教材研究等の時間の確保などの教育条件整備も重要である。

 

 日教組は、子ども・地域の実態に即したカリキュラムづくりが可能となる教育施策・条件整備を求めるとともに、子どものゆたかな学びを保障するため、保護者・地域の方々との社会的対話を継続し、日々の教育実践をすすめていく。

 

以上

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