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談話

笹川自民党総務会長のうつ病患者並びに精神疾患で休職している教員に対する誹謗・中傷発言に対して抗議するとともに発言の撤回・謝罪を強く求める書記長談話

2009年04月04日

笹川自民党総務会長のうつ病患者並びに精神疾患で休職している教員に対する誹謗・中傷発言に対して抗議するとともに発言の撤回・謝罪を強く求める書記長談話

2009年3月16日

 日本教職員組合
書記長 岡本 泰良

自民党の笹川総務会長は、自民党大分県連大会で「今、学校では、うつ病で休業を続ける先生がたくさんいる。国会議員の中では一人もいない。そんなに気が弱かったら務まらない」との発言を行ったと報道されている。うつ病は単純に「気が弱いから」といってなる病気ではなく、様々な要素で発症することが医学的にも明らかになっている。この病気で苦しんでいる患者全体に対する独断と偏見の発言であり、許すことができない。同時に、うつ病等の精神疾患で休職している教員に対する誹謗と中傷であり、全く根拠のないものと言わざるを得ない。断じて容認できない。

現在、教職員の病気休職者に占める精神疾患の割合は61.9%とこの10年間で約3倍に達し、人数も4995人とこれまでで最高であり、深刻な状況となっている。この原因は、文部科学省の委託調査研究「教員のメンタルヘルス対策及び効果測定」の結果報告書(2008年10月)に書かれてあるように、めまぐるしく変わる教育政策、多様・複雑化する子どもや保護者の意識や態度への対応の中で、「教員では多忙さを中心としたストレスが最も多く、児童生徒の訴えを十分に聴く余裕がない」、「うつ傾向の自覚症状を訴える教員は一般企業の2.5倍にも及んでいる」などである。学校現場ではうつ症状等のメンタルヘルス不調を抱えながら無理を重ね、つらさを隠しながら教壇に立っているのが現状である。にもかかわらず、教員に対するメンタルヘルス対策はほとんど進んでおらず、同調査によっても、「約8割の教育委員会が必要であると考えているものの、十分に取り組んでいると答えたのは0.8%に過ぎないとなっている。」とある。

私たち教職員は、日々、子どもたちと向き合い教育活動を通して次の世代の主権者として育成する社会的責任を負っている。日本教職員組合は、地域の厳しい現実、著しい変化をとげる現代の社会の中で、子どもたちをめぐる教育課題に向き合い、子ども一人ひとりのゆたかな学びを保障する観点から、教育実践を展開するとともに、教育条件整備・充実にむけたとりくみをすすめている。発言は、全国各地の教職員の不断の努力を踏みにじるものである。

憲法を尊重し人権を擁護する義務を負う国会議員の立場で、独断と偏見に基づいた発言をしたことは、政治家としての資質・見識が問われることであり、日本教職員組合は、改めて発言に対して強く抗議するとともに、発言の撤回・謝罪を強く求める。

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