談話

徳島県教組書記局への乱入・暴力行為事件に対する書記長談話

2010年04月21日

徳島県教組書記局への乱入・暴力行為事件に対する書記長談話

2010年4月21日

 日本教職員組合 書記長 岡本泰良

4月14日、「在日特権を許さない市民の会」を名乗る団体が、徳島県教組書記局へ乱入し、暴力行為に及んだ。この団体は、在日韓国・朝鮮人を含む特別永住者がかつて日本国籍の保有者であったというその歴史的経緯などから、いくつかの特例措置を与えられていることなどを「特権」とし、その「解消」を訴えている。また、在日韓国・朝鮮人と本国の韓国、朝鮮民主主義人民共和国が「歴史の捏造」を行っているとして強く非難している団体である。

乱入・暴力行為の内容は、徳島県教組の書記局付近で街宣活動を行った後、約20人が乱入したものである。「書記局内の書類・新聞などを投げ散らかす」「書記局内を無断でビデオ撮影する」などを行い、その行為を阻止しようとした書記局員に軽症を負わせた。これらの行為は、組織的威力業務妨害罪、傷害罪等に問えるいわば犯罪行為であり、到底許すことができないものである。

現在、日本の子どもの7人に1人が貧困状態であり、貧困を理由に就学が苦しくなっている子どもたちが増加している現状について、日本教職員組合は大変危惧をしてきた。そこで、09年度に、連合が提起した「雇用と就労・自立支援のためのカンパ」の趣旨に賛同し、困窮・困難な環境にある子どもとその家庭支援のための「子ども救援カンパ」にとりくんできた。このカンパ金は、多くの人々の善意から集められ、日本教職員組合を通じて、あしなが育英会や連合に送り、多くの団体を支援してきたものである。

また、日本教職員組合は、70年代に高校準義務化を提唱し、本年度から実施された高校実質無償化の実現にむけてとりくんできた。これらの活動も、すべての子どもたちが平等に教育を受けられるように提唱してきたものである。あわせて、支援が不十分なマイノリティーの子どもたちに対しても、ゆたかな学びが保障されるようとりくんできた。

私たちは、教職員組合として、一人ひとりの子どもたちが平和な未来にむかって歩み、夢や希望あふれる社会の実現に努めている。その活動を阻害する今回の事件に対し、民主主義を脅かす重大な犯罪行為として強く抗議するとともに、徳島県教組のとりくみ、告訴を全面的に支持する。また、「あしなが募金を朝鮮に流している」などと誹謗中傷し、これまでの日本教職員組合の「子ども救援カンパ」活動が不正な会計処理を行っているとの一部マスコミの報道は、全くの事実誤認である。私たちは、これからも子どもたちに寄り添い、支援の輪を広げる活動をすすめていく。

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