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EI フレッド・ヴァン・リューエン事務局長 特別講演会

2017/06/13

写真 フレッド・ヴァン・リューエン オランダ生まれ。小学校・高校教員を務め、81年からEIの前身であるIFFTU事務局長を務め、EI設立当時から事務局長を務める。

写真 教育産業による教育の民営化が世界的課題になっていると話すフレッドさん

写真 牧山議員 フレッド事務局長 平野議員 那谷屋日政連議員

6月9日、単組代表者を対象にEI事務局長フレッド・ヴァン・リューエンさんの特別講演会を開催しました。
フレッド事務局長からは、以下のような内容が話されました。

・EIは、世界171カ国・地域の401の教職員組合の連合体であり、およそ3200万人の組合員が加盟している。EIは、国際的、地域的、各国において、実効性のある政策提言活動を実施している。

・15年9月、SDGs(持続可能な開発目標)が国連において採択されたとき明るい未来を感じたが、わずか数年の激動で今は強い危機に変わっている。このような中、子どもに真実を伝え、民主主義を教える役割を担う教職員の使命は極めて大きい。

・EIが求めている「質の高い教育」が国際的に最重要課題に位置づけられているが、教育が市場に開放され経済成長の一端を担うことには強い危機感を感じる。教育に市場原理をもちこみ、人件費を抑えるために資格のない教員を配置し、評価主義と連動した賃金制度を導入し、オンラインやテストを活用しての画一的な授業を行っている。民間企業の考えで学校は成立しない。教育は公益であり、公教育の将来は、教職員の将来でもあるとの視点での運動が必要である。

・学習の4本柱 「知るための学習(認知スキル)」「為すための学習(動作スキル)」「ともに生きるための学習(社会学的スキル)」「人として生きるための学習(情緒的スキル)」が教育では大切にされなければならない。ILO/UNESCOの教員の地位に関する勧告のもと、ゆたかな教育をつくることが必要である。
民主主義は、自らの選択を表明する人々が賢明に選択する準備が整っていなければ、引き継がれない。つまり、民主主義の真の守り手は教育である。(フランクリンD.ルーズベルト)」

・UNESCO、ILO、OECDなどの国際機関や国際的に著明な研究機関とともに、EIの方針にもとづいた運動がつくられはじめている。「混乱した時代に対峙する最善の方法のひとつは、真実を伝える人々、つまり、教職員に投資すること」への理解が広がっている。

・現状の課題(やっかいごと)
1.無資格教職員の激増
2.臨時雇用への切り替え
3.教職員賃金の他職種賃金との格差拡大
4.教職員の自治の制限
5.標準テストの急速な拡大
6.危険性の高い教職員評価
7.教育部門への民間部門の管理実践の導入

フレッド事務局長は講演会終了後、民進党、日政連を表敬訪問し、平野博文衆議院議員(元文科大臣)、牧山ひろえ参議院議員、那谷屋正義日政連参議院と国内外の教育の現状について情報交換をしました。

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