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TALIS2018 早急な働き方改革を~日本の教員の労働時間は世界最長

2019/06/20

経済開発協力機構(OECD)は、昨年実施した国際教員指導環境調査(TALIS)の結果のうち「学び続ける教員と校長」を発表しました。
TALIS21018には、OECD加盟国ほか48カ国・地域が参加しました。

教育インターナショナル(EI)は、「まだ調査結果の全体像をみることはできないが、いくつかの示唆を得ることができる。」とした上で、
事務処理などのために教員が子どもとむき合う時間が減っていること、新採用教員への研修や業務軽減が不十分であること、など世界的な傾向が明らかになったとし、教職の専門性に関するEI方針が同調査によって裏付けられたと分析しています。
教育インターナショナル談話

また、今回公表された日本に関する結果の概要は以下の通りです。
【校長、教員、子どもの現状について】
・日本の教員の平均年齢は42歳であり、50歳以上の割合は33%。これは、日本では今後10年ほどで総教員数の3分の1が入れ替わることを意味する
・日本では女性校長の割合はわずか7%(OECD平均47%)、女性教員の割合は42%(OECD平均68%)
【教員の仕事時間について】
・1週間当たりの教員の仕事時間は、小学校で54.4時間、中学校で56.0時間と参加国中で最長
・1週間当たりの教員の職能開発活動は、小学校で0.7時間、中学校で0.6時間と参加国中で最短

日本教職員組合では、今回の結果を「働き方改革」と関連して下記のように分析しています。「OECD国際教員指導環境調査(TALIS)2018」の結果公表に関する書記長談話
・報告書の作成や職員会議などの諸会議などに忙殺され、子どもが在校する時間に教職員が余裕なく、様々な課題を抱える子どもへの対応に苦悩する学校現場の実態が読み取れる
・中学校における部活動指導の負担はもはや限界であり、すべての中学校関係者は少なくとも「部活動ガイドライン」にもとづく部活動に速やかに改めるよう決意し実行すべきである
・学校現場が全国学力・学習状況調査にみられる点数学力の向上を強いられていること、あるいは効率的な授業を求められること、もしくは教育課程があまりにも過密で授業改善にとりくむ時間的・精神的余裕がないことが当然推察され、むしろ教育行政には総合的・包括的な視点での教育政策の早急な見直しが求められている
・全国で見られる教員不足の実態や教員採用試験の志願倍率の低下など、深刻な「教職離れ」により公教育の持続性が危ぶまれている

教員の幸福感などを含めたTALIS2018の全体像は2020年3月に公表予定ですが、今回の結果は、学校の実態を改めて明らかにしました。日本教職員組合は、「学校の働き方改革」を一層推進し、子どもたちのためにゆたかな教育を保障するため、教職員の代表として社会的対話に参画していきます。

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