談話

「学校教育法の一部を改正する法律」(デジタル教科書法)の成立に係る書記長談話

2026年06月10日

日本教職員組合 書記長 丹野 久

 

 本日、デジタルな形態を含む教科書の使用を可能とする、「学校教育法等の一部を改正する法律」が可決、成立した。新学習指導要領の実施に合わせて2028年度から検定、採択・供給をし、2030年度以降段階的に使用の見通しである。

 この法律により、現在、紙媒体に限定している「教科用図書」に加え、デジタルな形態を含むものを新たな「教科書」として規定するとし、改正後の「教科書」の形態は、①紙のみ、②紙とデジタルのハイブリッド、③完全デジタルの3形態となる。また、これまで「教科用図書」と同一内容をデジタル化した「教科用図書代替教材」を「教科書」の代わりに使用できる制度は廃止することとした。

 

 デジタル教科書は、これまでの代替教材以上に学習を保障する機能が広がることが期待される。一方で使用については、文科大臣が「学年や教科での制限を設ける」と見解を示した。使用の有無は一律に決められるものではなく、一人ひとりに応じて適切に活用できるようにすべきである。「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」は変更しないことから、代替教材使用の廃止によって子どもの特性に合わせた教科書の採択・使用が狭まることがあってはならない。

 

 附帯決議には、通信環境や端末整備などのICTインフラの格差是正を行うことや、障害のある児童・生徒をはじめ、すべての子どもが学びにアクセスできるようにすること、視力低下などの健康面への影響等について継続的な調査と医学的知見に基づくフィードバックをすることなどが盛り込まれた。

 

 子どもの健康やゆたかな学びへの影響、教科書会社の財政的負担による「教科書」の多様性の担保への危惧、さらには、設定作業・管理業務などの新たな業務負担増や、自治体財政によって授業者用の教科書や教材などの教育条件整備に格差が生じる懸念などに対し、国は必要な条件整備や財政確保を行わなければならない。

 

 日教組は、引き続き国や自治体に対し、学校現場や一人ひとりの実態に即した細やかな対応が可能となるよう求めるとともに、子どもたちの主体的な学びの実現にむけてとりくんでいく。

 

以上

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