談話

「生徒の学習到達度調査(PISA 2025)」の結果公表に関する書記長談話

2026年09月10日

日本教職員組合 書記長 丹野 久

 9月8日、経済協力開発機構(OECD)は、「生徒の学習到達度調査(PISA 2025)」の結果を公表した。調査には91の国・地域が参加し、15歳の子ども約76万人を対象に実施された。日本からは183校、約6,500人が参加した。

 今回は、「学習到達度評価テスト」「生徒質問調査」「ICT活用調査」の3種類の調査が実施され、「学習到達度評価テスト」では、これまでの「科学的コンピテンシー」「読解力」「数学的リテラシー」の3分野に加え、教科横断的な分野「ラーニング・イン・デジタルワールド」についても調査が行われた。

 結果概要では、「学習到達度評価テスト」の日本の結果について、3分野および「ラーニング・イン・デジタルワールド」のすべてにおいて上位に位置し、「3分野全てで国際的に高い水準を維持し、一貫して社会経済的公正性が高い」と評価した。一方、低得点層の割合の上昇を課題とした。

 OECDは、調査結果をふまえ、「学習への意欲をもてなければ主体的に学ぶことができず、学習の習熟度も高まらない」と分析するとともに、子どもの学びを、好奇心や粘り強さといった学習への関与、学校等による支援、安全で公正な学習環境など多面的に捉えることの重要性を示唆している。またEI(教育インターナショナル)は、調査結果の活用について、「社会的背景が教育に与える影響について考える社会的対話の機会とし、すべての子どもの学びの保障につなげるべきだ」とした。

 これまでの結果公表では、順位やその変動が注目され、子どもも教職員も点数で測られる学力の向上に注力するよう追い込まれてきた。調査結果は、順位や点数に振り回されることなく、制度や仕組みが機能しているのかを検証するために活用すべきである。

 子どもたちは、カリキュラム・オーバーロードを引き起こしている現行学習指導要領のもと、過度な学習内容に疲弊している。他方、教職員は、実感をともなう働き方改革がすすまず多忙を極める状況にあっても、子どもの学びを保障するため力を尽くしている。学習指導要領の改訂にあたっては、OECDの分析をもとに、ゆとりある学習環境のもとでのゆたかな学びの実現にむけて、とりくんでいかなければならない。

 日教組は引き続き、子どもとむき合う時間を確保するために学校の働き方改革をすすめるとともに、子どもたちのゆたかな学びを保障するための教育研究活動をすすめていく。

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