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談話

「令和4年度 教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査結果」に関する書記長談話

2022年12月23日

日本教職員組合書記長 山木 正博

  本日、文科省は「令和4年度 教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査結果」を公表した。

 

   校種ごとの「時間外勤務の経年比較」では、「時間外勤務月45時間以下」の割合は、増加傾向にあるとされている。しかし、時間外勤務月45時間を超える教員の割合は依然として高く、過労死ラインの月80時間越えの状況についてはほとんど改善されていない。文科省は、原則として、時間外勤務命令・休日勤務命令はできないものとする給特法のもと、所定の勤務時間内での業務終了を追及するとともに、まずは、時間外勤務の上限超えへの早急な対策を講じなければならない。

 

   連合総研「2022年 教職員の働き方と労働時間の実態に関する調査」(中間報告)では、管理職から「実際より短い在校等時間報告の要請」があったと回答した教員が12.6%という結果が示された。また、同調査では、「学校への教職員配置増」や「持ち授業時数削減を含めた定数改善」を求める声が多数であった。文科省・教委に対し、記録の改ざん等の改善と、教職員の命と健康を守るための業務削減、人員の配置・拡充を改めて求める。

 

   給特法第7条をふまえた上限指針の策定状況については、依然として条例の整備を検討中の都道府県が10%もあることや、市区町村の教育委員会規則等の整備がすすんでいない状況など、昨年からほとんど変わっていない実態が明らかとなった。また、未だに客観的な方法で勤務実態を把握していない市区町村教委がある。「学校の働き方改革」の第一歩として、上限指針の条例化をはじめ、教育委員会規則等の早急な整備を改めて求める。

 

   これまで、様々なとりくみがすすめられてきたが、その実効性は十分といえない。例えば、部活動指導員・スクールカウンセラー・教員業務支援員などの人的配置は、「すべての学校に配置されていない」、「必要な日数や時間の配置がされていない」などの声が現場から多く上がっている。現場の声を十分に反映した施策の実施が不可欠であり、国と地方自治体の責務として、教職員一人ひとりが実感できる長時間労働是正がすすめられなければならない。

 

   教員が生活時間を取り戻し、ディーセントワーク(人間らしい働き方)ができてこそ、子どもたちとむきあい、やりがいをもって本来の業務に専念することができる。日教組は、「だれもが安心して働き続けられる職場」「勤務時間内に業務が終わる働き方」の実現をめざし、業務削減、持ち授業時数の上限設定を含めた定数改善、給特法の廃止・抜本的な見直しにむけ、とりくみを強化する。

以上

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