談話

「2023年度政府予算案」閣議決定に対する書記長談話

2022年12月26日

日本教職員組合書記長 山木 正博

 

 12月23日、政府は2023年度政府予算案を閣議決定した。防衛関係費が膨らみ、一般会計総額は114兆3,812億円と22年度当初予算比で6.3%増え、11年連続で過去最大を更新した。一方、文部科学関係予算は、5兆2,941億円と前年度当初予算比で0.2%増であった。子ども関連予算の倍増についての財政論も先送りされており、教育や「こどもまんなか社会」を推進するための予算確保には至っていない。

 

 政府予算案における教職員定数の改善については、教職員定数の自然減等や配置の見直しで6,482人が減少するのに対し、教職員定数の改善が4,808人と来年度も実質の教職員定数は大幅な減となっており、人の配置を求める多くの学校現場の声を反映したものではない。また、小学校高学年における教科担任制は、要求どおりの950人となった。教材研究の時間の確保や持ちコマ数の大幅な軽減につながる改善数ではなく、残念である。さらに、少数職種の加配等を含め要求した人数が減じられていることは、子どものゆたかな学びの保障、教職員の働き方改革の推進には程遠いものとなっている。

 「補習等のための指導員等派遣事業」については、教員業務支援員12,950人(22年度当初予算比2,300人増)、学習指導員11,000人(22年度比同数)、「医療的ケアが必要な児童生徒等への支援」としての医療的ケア看護職員の配置については、概算要求通りの3,740人が計上された。部活動の地域連携や地域スポーツ・文化クラブ活動移行にむけた環境の一体的な整備事業については、23年度予算額28億円の計上に留まった。22年度第2次補正予算で運動部・文化部活動の地域連携や地域クラブ活動移行として、19億円が計上されたが、概算要求額118億円を大きく下回った。日教組の「2022年 学校現場の働き方改革に関する意識調査」において、部活動の地域移行における課題として、中学校教員からは「指導者を確保できない」、「指導者・施設など地域間格差がある」などの声があがっている。部活動の地域移行については、引き続き、人の確保をはじめとした条件整備と予算確保を求めていく。

 

 日教組は、すべての単組とともに国会議員への要請活動、文科省・財務省・政党要請、地方3団体等要請などによる地方の教育予算拡充を含めたとりくみを強化してきた。引き続き、教職員定数の改善を重点として、学校現場の願いをしっかりとふまえた教育施策への転換と教育諸条件の整備を求めて、国会対策と省庁対応にとりくむ。

 

以上

pagetop