談話

「美浜原発3号機の運転停止を認めない大阪地裁判決」に対する書記長談話

2022年12月21日

日本教職員組合書記長 山木 正博

  12月20日、大阪地裁(井上直哉裁判長)は、福井県の美浜原子力発電所3号機について運転停止を求めていた仮処分の申し立てを退ける判決を下した。この判決は、運転開始から46年を経過した老朽原発であることや避難経路が不十分であることに対して不安を抱く地域住民に全く寄り添ったものでなく、到底受け入れられるものではない。

 

 美浜原発は稼働から45年を経過した21年6月に原子力規制委員会の審査に合格し、再稼働した。原発の運転期間は原則として40年、ただし、特別な場合に限って1回の20年延長が認められるとされている。これは11年3月にまもなく40年を迎えるはずの福島第一原発1号機がメルトダウンに至った、あの悲惨な東電福島第一原発事故を教訓として、12年6月に導入された。今回の判決では「新規制基準が定める高経年化対策以上に美浜原発の安全性を厳格、慎重に判断しなければならないとする事実は認められない」としており、福島第一原発事故の教訓を全くいかしていない極めて不当なものである。また、判決では「避難計画に不備があるとも認められない」としているが、避難計画では避難先の1つに大飯原発のあるおおい町がある。同時多発的な原発事故を想定しておらず、安全性を欠いており、地域住民の命やくらしを蔑ろにしていると言わざるを得ない。

 

  このような中、政府はGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議において電力の安定供給のため、原子力規制委員会の審査等で停止してきた期間を除き60年を超える運転延長を可能にするとしている。また、廃炉が決まった原発を対象に次世代型原発に建て替える方針も示しており、美浜原発1,2号機はその対象となっている。美浜原発の敷地には「破砕帯」と呼ばれる断層や「白木-丹生断層」がある中で、建て替えはあり得ない。地域住民の安心・安全な生活のためには原発を停止させ、廃炉にむかい、再生エネルギーの道を歩むべきである。

 

 日教組は「核と人類は共存できない」との立場から、経済よりも人命を優先する脱原発社会の実現をめざし、今後とも原水禁・平和フォーラムとともにとりくみを強化していく。

以上

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