談話

「高浜原発4号機の再稼働」に対する書記長談話

日本教職員組合書記長 清水 秀行
2017年05月23日

関西電力は、17日、高浜原発4号機(福井県高浜町)の再稼働を強行した。高浜原発3、4号機をめぐっては、2016年3月9日に大津地裁が運転差し止めを認めたが、17年3月28日、大阪高裁が関西電力の訴えを全面的に認める決定を行った。

東電福島第一原発事故はいまだ終息しておらず、多くの被害者が困難な避難生活を余儀なくされている。政府によって帰還が可能とされた地域においても、いまだに元の生活に戻ることはできていない。それにもかかわらず、関西電力が東電福島第一原発事故の悲惨な実態と教訓を省みることなく再稼働を行ったことは到底許されるものではない。

高浜原発でひとたび大事故が起これば、福井の住民はもとより、放射能は北からの風にのって関西全域に及び、30km圏内の京都府北部は「帰還困難区域」並みに汚染される。琵琶湖も汚染され、関西住民1,400万人に甚大な被害を及ぼすことになる。
子どもたちへの影響ははかり知れず、避難弱者の避難はほとんど不可能となる。汚染水対策もないまま、若狭湾一体の漁業にも深刻な被害が及ぶ。このような壊滅的な被害を訴え、多くの市民が反対の声をあげていることをふまえ、関西電力は直ちに再稼働を中止するべきである。

日教組は、今回の原発再稼働に強く抗議し、今後も平和フォーラム・原水禁とともに「脱原発社会」を実現するよう、全力でとりくんでいく。

以上

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