談話

高市早苗自民党政調会長の発言に対する書記長談話

2013年06月17日

高市早苗自民党政調会長の発言に対する書記長談話

2013年6月17日

 日本教職員組合 書記長 岡本 泰良

自民党の高市早苗政調会長が、今月17日、神戸市内で開かれた講演会で「福島第一原発で事故が起きたが、それによって死亡者が出ている状況ではない。最大限の安全性を確保しながら活用するしかない」と発言した。日本教職員組合は、福島県民の心情を傷つけ、きびしい生活の中で日々努力している県民を冒涜する高市政調会長の発言に対し、断固として抗議する。

復興庁は、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故後の避難生活による肉体・精神的疲労などが原因で死亡・自殺した「震災関連死」が3月末時点で1都9県の2688人に上ることを明らかにしている。また、福島県が1383人と51%を占め、そのうち原発事故による避難地域で暮らしていた人が8割を超している。さらに福島県民約15万人が、福島原発事故による放射性物質の汚染により、住む家を追われ避難生活を余儀なくされている。将来への見込みが立たず、先の見えない避難生活の中で、健康を害して亡くなる人が後を絶たない。

「福島原発事故で死者はいない」との高市政調会長発言は、被災地の実態から目をそむけ、きびしい生活の中で日々努力している福島県民の心情を踏みにじるものである。また、原発政策を国策として強引に推進し、東電福島第一原発事故を招いたことを悔いることなく、むしろ原発政策を推進しようとするものである。

日本教職員組合は「核と人類は共存できない」ことを確認し、経済優先から人命優先にシフトする脱原発社会の実現をめざしとりくみを強化してきた。原発推進のため被災者を冒涜する高市早苗政調会長に対し、発言の撤回と福島県民への謝罪、与党政調会長の辞任と国会議員を自ら辞職することを強く要求する。

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