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談話

文科省「学校現場における業務の適正化に向けて~次世代の学校指導体制にふさわしい教職員の在り方と業務改善のためのタスクフォース報告~」公表に対する書記長談話

2016年06月15日

文科省「学校現場における業務の適正化に向けて~次世代の学校指導体制にふさわしい教職員の在り方と業務改善のためのタスクフォース報告~」公表に対する書記長談話

 2016年06月15日

 日本教職員組合書記長 清水 秀行

6月13日、文科省は「学校現場における業務の適正化に向けて~次世代の学校指導体制にふさわしい教職員の在り方と業務改善のためのタスクフォース報告~」を公表した。本報告には、日本教職員組合が従来から文科省に対し行ってきた、学校現場の実情にもとづく政策提言も盛り込まれており、一定、評価できる。

本報告は、まず、教員の担うべき業務に専念できる環境を確保するとしている。子どもの学ぶ意欲を醸成する授業を行うために教員の持ち授業時間数を減らし、勤務時間内で授業準備・教材研究に専念できる条件整備を行うことが教育行政の本来の姿である。しかし、業務は年々増え続け、現場教職員の負担感は一層増している。文科省に対しては、実効ある業務削減・業務改善の方策を早急に打ち出すことを強く求める。

部活動の負担軽減については、休養日の明確な設定、部活動指導員の配置など部活動を支える環境整備を推進するとしている。これらは喫緊の課題であり、文科省は部活動の実態調査を行い、休養日の設定にむけ、子ども、保護者・地域、教職員の合意形成をはかっていく必要がある。一方、部活動を学校教育の一環としている限り、根本的な解決は難しい。日本教職員組合はこの間、部活動を地域のスポーツ・文化活動の一環として位置づけるとともに、教職員は自らのライフスタイルにもとづき、学校ではなく、地域住民の一人としてその活動の指導・支援にあたる方向での見直しの必要性を提言してきた。引き続き提言実現にむけ社会的対話にとりくんでいく。

「長時間労働という働き方を見直す」として、ワーク・ライフ・バランスを含むタイムマネジメント等の意識改革、教職員が本来の労働時間で退校することを理想の姿とすること等が示されている。労基法の労働時間規制は公立学校の教職員にも適用されている。使用者には法定労働時間遵守義務(32条)や出・退勤時間の記録保存義務(109条)があり、義務違反には罰則(119条、120条)もある。日本教職員組合はこの間、使用者である教育委員会や管理職に労働関係法令の遵守を求めてきたが、不十分と言わざるを得ない。労働関係法令に対する教育委員会や管理職の不見識の解消、そして労働関係法令等を逸脱することが「学校の常識」となっている事態の早期是正が急務である。

学校が抱える課題は、複雑化・多様化しており、それらを抜本的に解決するためには、本報告記載の方策に実効性を持たせることはもちろんのこと、教職員定数増など、学校を支援する施策を十分講じることが必要不可欠である。また施策を推進するためには、教育現場の実態を的確に反映させていくことが重要になる。本報告に対しても、日本教職員組合組織内の参議院議員である「なたにや正義(比例代表)」「みずおか俊一(兵庫県選挙区)」「斉藤よしたか(愛知県選挙区)」が、教職員であった自らの経験や学校現場の声を国会内外で訴え続けてきたことが大きな影響を与えている。言うまでもなく現場と国政をつなぐ3人の参議院議員の存在は極めて大きい。

日本教職員組合は、学校現場の超勤・多忙化の解消にむけて、広く社会的対話をすすめるとともに、日政連組織内議員と連携して学校現場の課題や要求にもとづく文科省交渉・国会対策を更に強化する。

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