談話

辺野古訴訟高裁判決に抗議する書記長談話

2023年03月22日

日本教職員組合書記長 山木正博

 3月16日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への県内移設をめぐり、防衛省が申請した設計変更を不承認とした沖縄県の処分に対し、国土交通省が是正指示等をしたのは違法として、沖縄県が取り消しを求めていた訴訟の判決で福岡高裁那覇支部(谷口豊裁判長)は請求を退けた。憲法では地方自治制度の運営は地方自治の本旨に基づいて行われることを保障しており、地方自治法では「国の地方公共団体に対する関与は必要最低限にしなければならない」としていることから、この判決は、政府の言い分だけを採用した結果ありきの判決であり、到底容認できない。

   辺野古基地建設予定地の北側には、軟弱地盤が広がり、その固さは「マヨネーズ並み」と言われている。そのため、地盤を改良するために軟弱地盤を40mと想定して工事をすすめたが、その後の調査で軟弱地盤が60mであることが判明し、地下90mまで改良しなくてはならない。しかし、このまま工事をすすめるには、莫大な費用が必要であること、計画よりも長い時間がかかること、工事終了後に大きな地盤沈下が起きる可能性が高いこと等が指摘されている。これらは沖縄防衛局が事業実施前に最低限度の地盤調査をしていないことに起因しており、このような計画は、白紙に戻すべきである。

 

    第2次世界大戦では、唯一の陸上戦となった沖縄では、民間人を含め20万人以上の犠牲を出した。本土復帰50年が経過した今でさえ、米軍関係者による暴力や事件は多発しており、日米地位協定の廃止・抜本的見直しも必要である。それだけでなく、石垣島等が自衛隊の基地にもなり、日米軍事一体化がさらにすすめられ、普天間基地では長期使用のための改修工事もすすめられている。政府は沖縄を裏切り続けていると言っても過言ではない。政府は、沖縄が幾度となく示してきた民意を最大限尊重すべきである。

 

    日教組は、基地のない沖縄の実現のため、平和フォーラムとともに、引き続き辺野古新基地建設阻止にむけたとりくみを強化していくとともに「教え子を再び戦場に送るな」の決意のもと、戦争につながる動きを断固阻止し、憲法の理念を護るため、戦争をさせない1000人委員会や平和フォーラムと連帯し、すべての組合員の力を結集して全力でたたかう。

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